「旗国主義」ダイヤモンドプリンセス号。いったい何ができたのか?

2020年2月19日

たった一人の新型亜肺炎コロナウイルスの感染者が乗っていただけで大騒ぎになってしまった、ダイヤモンドプリンセス号、別名ギャンブルプリンセス。

メディアの報道は正しかったのか?

マスコミ始め、「政府の対応が悪い」、海外からも「日本の対応が悪い」とボロクソに言われている、百田尚樹氏はそれこそ政府に対してボロクソに批判している。確かに、入国規制に対しては後手後手に回った気がするが、中国の発表が発生から1カ月以上遅い段階で日本国内に入ったのは間違いないことで、問題は国際的にどこまでできるかの判断基準が無いことが問題だ。しかし、ダイヤモンドプリンセス号に関して批判はするが、どう対応を取ったら正解なのか答えている報道も、コメンテーターも居ない。「せいぜい全員検査するべきだ」が関の山だ。感染初期に陽性と出ないウイルスにどれだけ効果があるか微妙だ。

船の内部に対して、専門家の判断も分かれているようだ。
・岩田健太郎氏、ぐちゃくちゃになっていた
・桜井滋氏 ちゃんとできていた
・和田耕治氏 分かりずらかったが、担当者がきちんと説明していた

神戸大学の岩田健太郎教授は感染の区分けがまったく出来ておらず、また専門家が居ない状態が「恐ろしい」と告発的な動画とコメントを出したが、厚生労働省からは区分けをしていない訳がないと反論もあった。

ちなみに、マスコミではダイヤモンドプリンセス号の内部を批判的に報道しているメディアばっかりだったが、SNS上の情報では、決してそんなことは無かったようだ。amazonで買い物できたのが驚きました。

ダイヤモンドプリンセス号の対応はどうだったのか?

最初に考えてみてほしい、3000人以上の57の国、地域人たちを管理する難しさ、また「旗国主義」という法律の壁もあり、感染者が、2020.1.25に下船後、横浜へ2/5に寄港するまでの間、普通に営業していた船内(イベント、ブッフェ、カジノ等)、せめて感染者の確認がされた2/1日にイベントを中止、最低限の移動体制を作っていればもう少し抑えられていたかもしれない。

もう一つ報道がほとんどされていない「旗国主義」の問題。

旗国主義とは、公海・公空にある船舶や航空機は、その旗国が管轄権を有するという原則。ようするに、それの所属する国に主権があるという事だ。例えば、犯罪者が「ダイヤモンドプリンセス号」に乗っていたとしても、日本は憲法で旗国主義を採用しているため、勝手に船の中で逮捕拘束ができない。まして今回は船の保有国イギリスと、運営会社のアメリカ人が多数乗っており、確認や許可を取りながら対応しているはずで、日本の対応方法も知っていたはずである。

これから、教訓になるのか?

恐らく近年で、これだけの人数が乗っている船が、未知のウイルスに感染してまま、寄港したことは世界にも無いだろう。正解を導くことはできないし、仮に今回の件を教訓やエビデンスにし、将来に備えたとしても、今後に生かすことは、ほとんどできないのではないでしょうか?

日本国内の感染者についても、放たれたコロナウイルスに対してできることは、次のフェーズで、感染することを前提に行動することになります。
厚生労働省からは、37.5度が4日以上続くようなら、保健所に電話をして指示を仰ぐと指針を出しました。ただし、持病などを持っている方、高齢な方は早めに行動する。少しぐらい具合が悪いからと言って、何でもかんでも病院に行くのか控えたほうが良いでしょう。