コント?「8000円の有料席が木の陰」─鹿児島花火大会
「8000円の有料席が木の陰」──鹿児島花火大会に見るイベント運営の盲点
夏の風物詩として全国各地で開催される花火大会。その中でも、鹿児島市が主催する「かごしま錦江湾サマーナイト大花火大会」は、例年多くの来場者を集める一大イベントです。しかし、今年の大会では、有料席を購入した利用者から「花火がほとんど見えなかった」という苦情が相次ぎ、運営側の対応が波紋を呼んでいます。
問題の概要
問題が発生したのは、鹿児島港本港区ウォーターフロントパークに設置されたB席(芝生エリア・1升4人・8000円)。公式サイトでは「真正面から観覧できる」と案内されていたにもかかわらず、実際には目の前に高さ6〜10メートルの木が立っており、花火の大半が遮られていたというのです。
利用者の証言によれば、視界の7〜8割が木に遮られ、低高度の花火はほとんど見えなかったとのこと。しかも、指定席のため移動もできず、苦情を申し出ても払い戻しには応じてもらえなかったといいます。
運営側の説明と対応
鹿児島市観光振興課は「木で見えづらいとは想定していなかった」と説明。設営業者に測量を依頼し、「角度的に問題ない」と判断していたとのことですが、実際には中央の台船から打ち上げられる花火が木に隠れてしまう構造だったようです。
昨年も同様の配置だったにもかかわらず、「見えづらいという意見は把握していなかった」との回答には、利用者として疑問を感じざるを得ません。
消費者保護の観点から考える
この問題は単なる「見えづらかった」という不満にとどまりません。有料席として販売された以上、それは商品としての責任が問われるべきです。
「真正面から観覧できる」という表記は、利用者にとって明確な期待を生みます。その期待が裏切られた場合、少なくとも説明責任や返金対応が求められるのではないでしょうか。
また、視界に障害物がある可能性がある席を販売するのであれば、事前にその情報を明示することが、公共イベントとしての誠実な運営姿勢だと感じます。
今後に向けて
今回の件は、イベント運営における「視認性」「情報の透明性」「苦情対応」の重要性を改めて浮き彫りにしました。来年以降の開催に向けては、以下のような改善が求められます。
- 有料席の視界確認を徹底し、障害物の有無を事前に明示する
- 苦情対応のガイドラインを整備し、返金や席変更の柔軟な対応を検討する
- 利用者の声を反映する仕組みを設け、継続的な改善につなげる
花火大会は、誰もが楽しみにしている夏の象徴です。その価値を守るためにも、運営側には誠実さと透明性が強く求められています。
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