忍び寄る「雪国崩壊」:なぜ除雪業者は消えたのか?
雪国のインフラを支える「除雪」が、今まさに崩壊の危機に瀕しています。民主党政権時の政策により加速したこの問題を考えてみます。
忍び寄る「雪国崩壊」:なぜ除雪業者は消えたのか?
冬の北海道や東北。朝起きれば道路が綺麗に除雪されている。当たり前だと思っていたこの光景が、今、維持できなくなりつつあります。
1. 民主党政権「コンクリートから人へ」の代償
除雪体制が急激に弱体化した大きな転換点は、2009年に誕生した民主党政権にあります。当時掲げられた**「コンクリートから人へ」**というスローガンの下、公共事業予算は一律に大幅削減されました。
これが雪国に与えた打撃は、単なる道路工事の減少にとどまりませんでした。
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「夏の利益」で「冬」を支えるモデルの崩壊
地方の建設業者は、夏場の道路整備などの公共事業で利益を出し、その利益で冬場の赤字に近い除雪業務を「地域貢献」として支えてきました。しかし、夏場の仕事が激減したことで、会社そのものが倒産、あるいは不採算な除雪部門からの撤退を余儀なくされました。
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「無駄」と断じられた待機料
事業仕分けなどの影響で、雪が降らなくても支払われる「待機料」が批判の的となり、業者の経営リスクはさらに高まりました。「降らなければ赤字、降れば過酷労働」という地獄のような構造が完成してしまったのです。
2. 過去と現在の対比:失われた「担い手」
かつてと現在では、除雪をめぐる環境が劇的に変化しています。
| 項目 | 以前(〜2000年代前半) | 現在(2020年代) |
| 業者の体力 | 夏の公共事業で安定経営 | 慢性的な赤字・人手不足 |
| オペレーター | 熟練工が多数在籍 | 高齢化が進み、若手が不在 |
| 降雪パターン | 規則的な降雪 | 短時間の「爆弾低気圧」によるドカ雪 |
| 住民の反応 | 互助の精神(自分たちでもやる) | 「除雪が遅い」というクレームの増加 |
3. 自治体の苦悩と対応の遅れ
業者が減り続ける中、自治体も手をこまねいていたわけではありませんが、対応は後手に回っています。
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報酬の引き上げと固定給導入
近年、ようやく「雪が降らなくても一定額を支払う」契約形態へ移行する自治体が増えましたが、一度廃業した会社や辞めた技術者は戻ってきません。
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機械の公費購入
高額な除雪車を自治体が購入し、業者に貸し出す仕組みを強化していますが、そもそも「運転できる人」がいないという壁にぶつかっています。
政治の「想像力」が地方の命を左右する
民主党政権時の公共事業削減は、都市部の視点で見れば「無駄の削減」に見えたかもしれません。しかし、雪国にとって公共事業は「冬の命を繋ぐためのインフラ」そのものでした。
一度壊れた「技術」と「組織」を再生するには、壊した時の何倍もの時間とコストがかかります。今、私たちが直面している除雪危機は、「地方の特殊性を無視した一律の改革」がいかに危険かを物語る教訓と言えるでしょう。










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