北海道とヒグマ:人と熊の共存の歴史、個体数の増加

2025年、昨年以上に熊の被害が全国で発生しています。特に北海道は毎日のように被害や目撃情報が寄せられています。

北海道は熊との歴史も長く、個体数や対策はどうなってるのでしょう?

北海道の熊は増加したのか?

北海道の自然と共に生きるヒグマは、開拓時代から現代に至るまで、人間社会と複雑な関係を築いてきました。

明治期の開拓から令和の保護管理、そして近年急増する人的被害までを調べてみました。

🏔️明治時代:開拓と熊害の始まり(1868〜1912)

  • 開拓使設置(1869年)により、道内各地で本格的な開拓が始まる。
  • 原生林の伐採と農地化に伴い、ヒグマの生息地が人間の生活圏と重なり始める。
  • 熊害事件が頻発し、家畜や人間への襲撃が社会問題化。
  • 生息数は不明だが、数千頭規模と推定される。

🪓昭和初期〜戦後:駆除政策と個体数の減少(1926〜1950)

  • 春グマ駆除制度が導入され、繁殖期のメスグマも対象に。
  • 捕獲奨励金制度により、年間数百頭が駆除される。
  • 生息数は約3,000頭前後に減少。

🧪昭和後期〜平成初期:科学的管理への転換(1960〜1990)

  • 1966年:春グマ駆除が制度化されるが、科学的根拠に乏しいと批判される。
  • 1990年:春グマ駆除制度が廃止され、保護管理へと方針転換。
  • 生息数は約2,500〜3,000頭で推移。

🌲平成中期〜令和:個体数の急増と新たな課題(1990〜2025)

  • 箱罠猟が主流となるが、学習能力の高いヒグマには効果が限定的。
  • 毎年約750頭の仔グマが誕生し、自然死や捕獲を差し引いても年間500頭ずつ増加。
  • 2025年時点での推定生息数は約11,000〜12,000頭。

🆘近年の人的被害:過去最多の出没と襲撃(2023〜2024)

  • 2023年:全国で198件のクマによる人的被害が発生。被害者は219人、うち6人が死亡。
  • 北海道内では、知床半島や札幌市西区などで住宅街や遊歩道への出没が相次ぎ、登山道や自然歩道の閉鎖措置も。
  • 2024年:出没件数はさらに増加。6月だけで817件、令和最多を記録。7月も500件以上の目撃情報が寄せられている。
  • 被害は農作物だけでなく、人身事故や観光施設への侵入など多岐にわたる。

📉北海道の対応:新たな管理計画(2025〜2034)

  • 北海道は全道で約8,200頭に維持する方針を発表。
  • 10年間で12,540頭の捕獲を計画し、農業・観光・人命被害の抑制を目指す。

🧭まとめ:人と熊の共存に向けて

北海道の開拓史は、ヒグマとの対峙の歴史でもあります。駆除から保護へ、そして共存へと向かう流れは、自然との関係を見直す契機となっています。今後は、科学的根拠に基づいた管理と、地域住民の理解・協力が不可欠です。

明治の開拓がされていない時で約3000頭、2025年で約3倍~4倍、熊は縄張りを持た無いとも言われてますが、行動範囲内に重なれば押し出されます。それが人里など今まで目撃されなかった所に出没してるのかもしれません。

保護政策や人手不足でマタギも減少し、北海道でヒグマ駆除を行ったハンターが猟銃所持許可を取り消されました。

これを受け、北海道猟友会は自治体からの駆除要請を拒否する方針を容認しました。

裁判官(札幌高等裁判所の小河原寧(おがわら やすし)裁判長)の判断による要因が大きいのかもしれません。

日本国内

Posted by master