同志社は本当に責任を取ったのか?
相変わらず、メディアの取り上げがあっさりしている。この差は何なのだろうか?
―理事長辞任と校長解任、その後に残る大きな疑問
2026年3月、同志社国際高校の沖縄研修旅行で生徒が亡くなる事故が発生しました。
沖縄活動家運営による辺野古転覆事故です。
その後、学校法人同志社は8月25日、八田英二理事長が事故について「一連の責任を取って辞任する意向」であること、そして同志社国際中学校・高等学校の西田喜久夫校長を8月31日付で解任することを発表しました。
一見すると、大きな責任を取る人事に見えます。
しかし、よく見ると、「本当にこれで問題は解決するのか?」という疑問が残ります。
特に気になるのが、八田氏が理事長を辞めた後も、同志社の総長と理事として残ることです。
現時点で何が決まったのか
学校法人同志社の公式発表によると、8月21日の臨時理事会で八田英二理事長から辞任の意向が伝えられました。
ただし、すぐに辞任するわけではありません。
法人は、
- 安全管理に関する再発防止策
- 教育の中立性・適切性についての検証
- 改善策の実施
- 説明責任
を進めたうえで八田氏が辞任し、その後、理事会で新しい理事長を選定する見通しだとしています。
また、西田喜久夫校長については、8月31日付で解任。
9月1日からは、現在、学校法人同志社の企画部長兼同志社大学副学長を務める宿久洋氏が新校長に就任します。
さらに法人は、「関係者については、引き続き、処分を検討」するとしています。
つまり、8月25日の発表だけで、関係者全員の処分が終わったわけではありません。
遺族のコメントが非常に重さを表している
今回の人事発表に対し、亡くなった生徒のご遺族もコメントを出しています。
遺族側が強く求めているのは、「辞任」という形だけで問題を終わらせないことです。
つまり、
「理事長が辞任したから、これで責任問題は終わり」
ということにはしてほしくない、ということです。
これは極めて当然の要求だと思います。
なぜなら、今回問われているのは、単に「誰が役職を辞めたか」ではありません。
なぜ事故が起きたのか。
誰が危険を認識していたのか。
誰が判断したのか。
事故前後の対応は適切だったのか。
そして、同じことを二度と起こさないために何を変えるのか。
ここまで明らかにしなければ、本当の意味での再発防止にはならないからです。
最大の疑問――八田氏は本当に「退く」のか?
今回、自分が最も気になるのはここです。
八田氏は理事長を辞任する意向を示しました。
しかし、八田氏が同志社から完全に退くわけではありません。
現在の同志社の役員名簿では、八田氏は総長と理事長を兼任しています。
そして総長の任期は2025年4月1日から2029年3月31日までです。
つまり、理事長を辞めても、
総長として残る可能性がある。
さらに、理事としても残ることになります。
ここは非常に重要です。
「理事長」と「総長」は同じではない
同志社の寄附行為を見ると、総長については、
「各学校の教学を統轄するために、この法人に総長を置く」
と規定されています。
一方、理事長については、
法人を代表し、その業務を総理する
と明確に規定されています。
つまり、法的な法人経営のトップは理事長です。
しかし、総長は単なる名誉職ではありません。
同志社全体の教学を統轄する立場であり、しかも八田氏の場合、長年にわたって総長・理事長を兼任してきました。
2026年8月4日時点の役員名簿でも、八田氏は総長・理事長であり、理事15名の一人として掲載されています。
さらに重要なのが「理事」として残ること
同志社の寄附行為では、理事会が法人の業務を決定し、理事の職務執行を監督するとされています。
そして理事長は理事会の決議によって選ばれます。
つまり、
八田氏が理事長を辞任
↓
新しい理事長が理事会から選ばれる
↓
八田氏は理事として理事会に残る
ということが制度上可能です。
この場合、新理事長が形式上の法人トップになります。
しかし、八田氏は依然として、
総長+理事
という重要な立場に残ることになります。
ここに「実質的なトップ問題」が出てくる
もちろん、
「八田氏が実質的なトップになる」と断定することはできません。
新しい理事長が非常に強いリーダーシップを持ち、改革を進める人物であれば、八田氏の影響力を抑えることも十分可能でしょう。
しかし逆に、
新理事長が八田氏より組織内で影響力の弱い人物だったらどうなるのか。
これは非常に重要な問題です。
形式上は、
新理事長=法人のトップ
です。
ところが実際には、
新理事長
+
総長・理事として残る八田氏
という二重構造になります。
さらに八田氏は2029年3月まで総長の任期を残しています。
そのため、
「理事長を辞任したから八田氏の影響力がなくなった」と考えるのは早すぎます。
そもそも理事長は誰が選ぶのか
ここも非常に重要です。
同志社の寄附行為では、理事長は理事会の決議によって理事の中から選定されます。
つまり、次の理事長人事がどうなるかを見る必要があります。
もし新理事長が、
- 八田氏と近い人物
- 従来の組織路線を踏襲する人物
- 八田氏に対して強く物を言えない人物
だったとすれば、
「理事長辞任」という形を取っただけで、組織の力関係は大きく変わらない可能性があります。
もちろん、これは現時点で確認された事実ではありません。
しかし、新理事長が誰になるかを見るまでは、今回の人事を「抜本的改革」と評価することもできないでしょう。
西田校長についても同じ疑問が残る
西田校長は8月31日付で解任されます。
しかし、現時点の公式発表には、
「同志社から退職する」
とは書かれていません。
発表されているのは、あくまで「校長を解任する」ということです。
今後、別の役職に就くことが決まっているという情報も、現時点では確認できません。
したがって、
校長解任=同志社から完全に退く
とはまだ言えません。
ここについても、今後の人事を見守る必要があります。
新校長も「外部からの改革」ではない
9月1日から新校長になる宿久洋氏は、同志社大学副学長であり、学校法人同志社の企画部長でもあります。
つまり今回の人事は、
西田氏から外部の第三者へ交代
ではありません。
同志社内部の別の幹部を新校長にする人事です。
これは、内部事情をよく知る人物を投入できるというメリットがあります。
一方で、
「同志社内部の体質そのものを変える改革なのか?」
という疑問も残ります。
「解決」なのか、「アピール」なのか
ここが今回、一番考えなければならないところだと思います。
私は現時点では、
「問題解決への第一歩」ではあるが、「問題が解決した」とは到底言えない
と考えます。
理事長辞任と校長解任は、何もしないよりは明らかに前進です。
しかし、
役職を交代させることと、組織の問題を解決することは別です。
本当に改革したのであれば、
- 事故原因の徹底的な検証
- 誰がどの判断をしたのかの明確化
- 安全管理体制の抜本的見直し
- 責任者への適切な処分
- 遺族への十分な説明
- 第三者による検証結果への対応
- 再発防止策の実効性確認
- 組織内で異論を言える体制の構築
まで進まなければなりません。
「辞任」という言葉だけに惑わされてはいけない
特に八田氏については、
理事長辞任=同志社から退く
ではありません。
ここを間違えてはいけないと思います。
むしろ今後、
①新理事長は誰なのか
②八田氏は総長として何を続けるのか
③八田氏は理事として理事会でどこまで関与するのか
④西田氏は同志社に残るのか
⑤その他の関係者はどのような処分を受けるのか
を見る必要があります。
遺族が求めているのは「辞任」ではなく「真相と再発防止」
今回、亡くなった生徒を失ったご遺族にとって、理事長が辞めること自体が目的ではありません。
本当に知りたいのは、
なぜ娘さんが亡くならなければならなかったのか。
そして、
同じことが二度と起こらないのか。
そのために必要なのが、責任の所在を明確にすることです。
だからこそ、遺族が「辞任という区切りによって検証が簡素になってはいけない」と考えるのは、極めて重い意味を持つと思います。
今後の人事こそ、本当の「答え」になる
今回の発表は、ある意味ではスタート地点です。
もし今後、
八田氏が総長・理事として残る
↓
新理事長も従来路線
↓
西田氏も別の要職へ
↓
関係者への処分も曖昧
↓
事故原因の検証も曖昧
という結果になれば、
「責任を取ったように見せるための人事だったのではないか」
という批判が出ても仕方ありません。
一方で、
八田氏自身が総長としての責任も明確に認識し、影響力を行使して改革を進め、新理事長が独立して強力な改革を行い、関係者への処分と安全管理の抜本改革まで実施する
のであれば、今回の辞任は本当の意味での責任の取り方だったと評価できます。
現時点での私の評価
私は、現段階で「単なるアピールだった」と断定するつもりはありません。
しかし、
「理事長が辞任するから、これで一件落着」
と受け取るのも早すぎると思います。
むしろ今回の最大のポイントは、
「理事長を辞めた八田氏が、その後どれだけの影響力を持ち続けるのか」
です。
同志社の寄附行為上、理事長は法人を代表し、業務を総理する一方、総長は各学校の教学を統轄します。そして理事会が法人の業務を決定します。
だからこそ、
「八田氏が理事長を辞める」だけではなく、「八田氏が総長・理事として何を続けるのか」まで確認して初めて、今回の責任の取り方を評価できる
のではないでしょうか。
今後の新理事長人事、八田氏の総長としての動き、西田氏の処遇、そして関係者への最終的な処分。
ここまで見届けなければ、本当に同志社が変わったのか、それとも「変わったように見せただけ」なのかは分かりません。
亡くなった生徒とご遺族のためにも、今回の人事を「終着点」にするのではなく、本当の原因究明と再発防止の出発点にしてほしいと思います。
遺族のnote

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